大切なことは近くにあるのに、それがゆえに気づかないということは多々あります。
同様に子供の勉強において、環境が重要ということは当たり前のように聞こえるかもしれませんが、案外そこを重要視されてないのでは?、という場面を塾講師時代よく目の当たりにしてきました。
例えば、高校受験において、本来は偏差値が高く、学校の雰囲気もいいA高校に受かる可能性があるにも関わらず、
「友人がB高校に行くから私もそこに行く。」
「家から距離が近いからC高校に行く。」
という理由で学校を選択し、その後大学受験となった際に、第一志望はA大学ではあるが学力が足りず、別の大学に受験をするという生徒たちを見てきましたし、
また反対に、A高校へ受験しても受かるかどうかギリギリのラインの子が受験し見事合格したのち、第一志望のA大学に受かった子達も見てきました。
つまり、この2つの例から高校受験時の学力の差は、3年間の高校生活の環境のなかで、逆転され差が逆に広がってしまったということになります。
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・ノミのジャンプ実験の話
おそらくこの話は聞いたことがある方もいるでしょうが、よく限界について話をする際にでてくる、ノミのジャンプ実験についての話があります。
ノミの大きさは約2mmほどで、そのノミは30cm程ジャンプするそうです。大きさの約150倍ほどですね。
そのノミを十数cmのコップでふたをしたとき、初めのうちはそのノミはジャンプしコップに頭をぶつけるそうなのですが、次第にノミはジャンプしても頭をぶつけなくなり、最終的にはコップをなくした状態でも、コップがあった時と同じジャンプ力しか飛べなくなるそうなのです。
要するに、ノミは環境適用したためにジャンプ力を制御したことになるのですが、これは人間も同様に緩い環境であれば、本来の実力を発揮しなくてもできるために実力を発揮しませんし、逆に厳しい環境であれば、周りに必死についていこうとし努力していくために、実力がその分ついていくのです。
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・大人でも変えずらい環境を、子供が変えるのはさらに難しい
子供を育てていく上で、私たち大人が一番意識しておきたいことが、
「大人でも変えずらい環境を、子供が変えることは更に難しい」
ということです。
これはどういうことか?というと、社会に出て、就職した場合、その職場の考え方や習慣、風習などがあり、初めの内はそれに違和感があったとしても、その環境自体を変えるのではなく、次第にその環境に慣れていってしまいます。
また働くための拘束時間も長く、そして大抵の人はその職場のコミュニティのみでの飲み会をしたり、遊んだりすることが多いと思います。
そうなってしまうと、1つのコミュニティでの視点となり、それ以外の分野の視野がどうしても乏しくなってしまい、人間としての成長もし辛くなってきます。
このように私たち大人でも、一度その環境に入ってしまえばそこを変化させたり、または自分の考え方を保っていき続けることは簡単ではありません。
そして子供はさらに環境に染まりやすいために、そのために私たち大人は子供の状況を俯瞰してみてあげ、より適切な環境を勧めてあげる必要があるのです。
ただし、注意したいこととしては、子供自身もその子の価値観があるので、無理に勧めるのではなく、しっかり説明をして納得させてあげることが必要です。
・まとめ
今回は子供の勉強において重要なこととして、環境の重要性について書きましたが、これは子供のみではなく、大人でももちろん当てはまることです。
そして、それだからこそ子供はさらにその影響を受けやすく、染まりやすいために、しっかりとその子を見てあげて、適切な方向性を示してあげる必要があるのです。
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